旅の連れとおしゃべりをしながら。一人でてくてくと。トレドの歩き方は三者三様です。けれどもトレドの狭い路地はまるで迷路のようで、誰と一緒でも一緒でなくても、この町に残る歴史を語る様々な文化の面影を楽しみながら思い出に残る散策が楽しめます。入り口の門を一歩入ると、まるで何世紀も前にタイムスリップし未知なる時代に足を踏み込んだような感覚を味わえます。
イスラム文化の残るトレドの路地は狭く、複雑に入り組んでおり、一方通行の路地もいくつもみられます。けれどもご心配なく。小さな旧市街です。歩いていればすぐに広場や歴史的モニュメントなどにぶつかります。
ここでは、ガイドブックには出ていない、旧市街の興味深い「みどころ」をご紹介します。気にしなければ見逃してしまうような小さなものもありますが、その存在の意味を知っていれば楽しみも増えるのではないでしょうか。
- «Callejón de los Codos(肘通り。狭過ぎて両肘が壁にぶつかってしまう程狭い道という意味。)»に代表される狭い路地。旧市街には他にもいくつかの狭い路地があります。
- 区画ごとにかけられているセラミック製の表示。
- 広場の噴水。«Plaza San Justo(サン・フスト広場)»など。
- 貴族の家の門やそこに掛けられた家紋の入った盾。
- «Esta calle es de Toledo(この通りはトレドのものです)»と書かれたプレート。この場所は公共の通りであり、新しい家などを建設してはいけない、周辺の家を改築し私有地を勝手に広げてはいけない、という告知です。裏を返せば、このような告知がないと、勝手に私有地を広げてしまう住人がいるということでしょうか。
- いくつかの教会や修道院の外壁には、小さな屋根の下に釘付けされた十字架があります。これは建物内に高祭壇があることを意味し、通行人に敬意を払うよう促しています。
- 学生が壁に描いたグラフィティ。主にイニシャルやサインが描かれています。
- «Calle Aljibillos(アルヒビージョス通り)»などに見られる車軸ガード。建物の外壁に昔の馬車の車軸が入る大きさ分の溝が見られます。
- «Plaza de Abdón de Paz(アブドン・デ・パス広場)»などには建物の角を保護するガードが見られます。左折あるいは右折する馬車の車輪で壁が破損しないようにこのように保護されていました。
- 外壁の角に丸い石が埋められた建物があります。これは、その家に貯水槽または井戸があったことを示しています。このあたりは木造建築も多かったため、このようにして、火事が発生した際には、周囲の人たちはどこに水を取りに行くのかを知ることができました。
- 西ゴード族の建築装飾の遺り。
- 鉄製の美しい柵のあるバルコニー。
- イミテーションウォール。低予算で壁を飾るため、あたかも実際に存在するようにバルコニーや窓の絵などが描かれている壁。
- 市庁舎や«El pozo amargo(エル・ポソ・アマルゴ – 悲しみの井戸)»などに見られる通路。
いかがですか。小さな壁の溝や標識など、意味がわかると町を見る目が変わりますよね。一味違う旧市街散策をお楽しみください。
ここからトレドのガイドマップがダウンロードできます(英語)。