3つの文化が融合する街トレドでロマンチックな週末を。

スペイン人のロマンチックな週末プランとしてトップに上がるのがトレド。愛する人と日常を離れた甘いプランを立てたいあなたに、私たちのお勧めルートをご紹介します。

歴史と文化が複雑に混ざり合うこの街では、そこにいるだけでまるで物語の中に迷い込んだようで、ここでの週末はあっという間に過ぎてしまうはず。さらに小さな街特有の安心感と街自体の隠れ家的要素が二人の気分を盛り上げてくれることは間違いありません。

まず宿泊施設ですが、お好みと予算に合わせてホテルやアパートメントなど色々なオプションが選べます。金曜午後、街に着いたらまず荷物を置いて、旧市街のイスラム文化を起源とする迷路のような小道を散策してみましょう。「トレド旧市街、ちょっと違った散策の楽しみ方」ではこの小さな街をどれだけの好奇心を持って歩けるかというヒントをご紹介しています。参考にしてみてください街の雰囲気を楽しんだ後は特別なディナーを。おすすめはレストラン Sánchez Beato(サンチェス・ベアト)。忘れられない食体験が楽しめます。夕食の後はゆっくりとエル・バジェの展望スポットまで行ってみましょう。ライトアップされたトレドはあまりに幻想的で、現実世界とは思えない不思議な感覚に包まれることでしょう(金曜・日曜は日暮れから深夜0時、土曜夜は1時まで)。なお、アルカサルと大聖堂は平日もライトアップされています。

さぁ、土曜日は体力勝負。とにかく歩きます。靴は是非歩きやすいものを選んでください。朝はゆっくり起きて、朝食もしっかり。宿泊施設での予約に朝食が含まれていなければ、是非お勧めしたいのがトレドを代表するチュロス屋さん Kiosko Catalino(カタリノ)。他では味わえない、できたてチュロス&ポロス(あまり聞き慣れないかもしれませんが極太チュロスのこと)が楽しめます。ちなみに、スペイン人は揚げたてのチュロスやポロスにグラニュー糖をこれでもか!というくらいふりかけて、それをカフェコンレチェ(ミルク入りのコーヒー)に一口づつ浸して食べます。なんせこの後死ぬほど歩きますから、カロリーは気にしなくて大丈夫。愛する人と高カロリーを分かち合います。お店は旧市街に隣接するラ・ベガ公園にあり、旧市街のメインゲートであるビサグラの門を眺めながら楽しめます。もし、旧市街の中での朝食をお望みならソコドベル広場に程近い Nuevo Almacén(ヌエボ・アルマセン)がお勧め。正午まで、お手頃な値段で美味しい朝食が食べられます。

朝食がすんだら、さぁ出発です。まずはソコドベル広場へ行き、ここからアルコ・デ・ラ・サングレ(血の門)をくぐり、アルカンタラ門アルカンタラ橋まで進みます。そのまま、鉄道駅(RENFE)へ向かいましょう。外観から構内まで全てが美しいムデハル建築を堪能したら、次に行きたいのがおとぎの国の小さなお城「ガリアナ姫の宮殿」。まさにロマンチックという言葉がぴったりのこのお城は、8世紀から9世紀初頭の王ガラフレの娘であるガリアーナとフランク王の息子であるドン・カルロスとの情熱的なラブストーリーの舞台というのも肯けますね。

ロマンチックな宮殿散策を楽しんだら、もう一度旧市街へ。RENFE駅から市内バスあるいはツーリストバスを利用することもできますが、もう少し歩けるなら旧市街まで上がれるエスカレーターを使っても。上がり切った豪褒美はトレドから見渡す絶景です。展望台エル・ミラデーロからはトレド周辺の広大な景色が楽しめます。

旧市街には美味しいレストランやバーも集まっています。お昼には、是非郷土料理である「カルカムサス」やうずらのトレド風をお勧めします。

そして食後のコーヒーに是非お勧めしたいのがアルカサルにある公立図書館内のカフェテリア。トレド市内屈指のビュースポットである上、併設の軍事博物館に足を伸ばすこともできます。

夕食の前に、歩き回った疲れを取りつつ二人でロマンチックなリラックスタイムを。ハンマームの名で知られる、トルコやアラブ諸国・イランなどの中東全域や中央アジア諸国、東アジア諸国に広く見られる伝統的な公衆浴場はいかがでしょう。ここ旧市街ではアラブ風呂が楽しめます。熱いお風呂でゆったりと疲れを洗い流した後、もし暖かい季節であれば是非もう一箇所お勧めしたいスポットがあります。それはラ・ビルヘン・デ・ラ・カベサ教会にある展望台です。観光客にはあまり知られてない、けれどもトレドの絶景を堪能できるお勧めのスポットです。軽食をバッグに詰めて、街の日没を眺めながらのピクニックもいいですね。忘れられない思い出になること間違いなしです。

さて、最終日の日曜日はトレドで絶対に外せないモニュメント観光を楽しみましょう。18世紀に建てられたゴシック建築様式の大聖堂、そして後期ゴシック様式の建築物であり、数々の著名人の結婚式を見届けてきたサン・フアン・デ・ロス・レージェス修道院は是非訪れてみたいスポットです。ここまで来たら坂を下りサンマルティン橋まで足を伸ばしてみましょう。ここからタホ川とその岸辺の美しいエル・バニョ・デ・ラ・カバの眺めが楽しめます。スペイン語ですが、この川岸の一角にはこんな伝説が残されています。もしまだ時間に余裕があるなら、是非そのままロマンチックな川辺の散歩を。

2日半の短い時間を甘い思い出に変えてくれる小さな街。是非愛するあの人との旅のプランに入れてあげてください。