トレドの1日散策

長い歴史の名残、その時の流れの中で日々生まれて生きた多彩な芸術と文化。そして誰もが本当に正直に満喫できる食の楽しみ。トレドはこの全てを惜しみなく差し出してくれるので、実際のところ何日いてもまだまだいられるような気分になるわけですが、ここでは、もちろん日帰りでも「あー、あれ見たかったのに」「あそこも行きたかったけど」とならず、満喫できる日帰りトレドを120%楽しめるルートをご紹介します。

トレド入り口と言えば、Puerta de Bisagra(ビサグラの門)。ここからスタートしてみましょう。まず腹ごしらえをしてからという場合は、すぐ近くのParque de La Vegaにあるチュロ屋さんCatalinoで、ビサグラの門を眺めながらチュロスとコーヒーを楽しめます。

お腹が満足したら目の前の通りを渡って旧市街の入り口ビサグラの門へ。一歩入った右手にはサンティアゴ・デル・アラバル教会、続いて太陽の門があります。近くにはトレドのローマ遺跡の一つである当時の下水道もあります。また、このすぐ横の階段を上ると、スペインがイスラム王朝に支配された後ウマイヤ朝時代(756-1031)のモスクのうち唯一現存する大変貴重なモスクであるBab-al Mardum(バブ・アルマドゥム・モスク)の門の前に出ることができます。1000年以上のタイムスリップを楽しんでからもう少し歩くとトレドの顔、Zocodover(ソコドベル広場)に出ます。アラブの市場を意味する «Zoco(ソコ)»。昔、ここは市場として賑わっていたことからこの名前がついています。トレドっ子たちの待ち合わせスポットでありコーヒーを飲みながら街を行く人々をのんびり眺めができるテラスも多い、この街の生活の一部として愛されている広場です。もしこのあたりで休憩がしたければ、要塞としても機能した宮殿跡、Alcázar(アルカサル)内の公立図書館にあるカフェに上がるとパノラマを楽しみながらゆったりとコーヒーを飲むこともできます。もちろん、コーヒーのあとに軍事博物館で当時の様子を垣間見ることも。

ソコドベル広場周辺を楽しんだらCalle Comercio(コメルシオ通り)へ。商店を意味するコメルシオ、お土産屋さんから洋服やさんまで、通りに並ぶ様々なお店をゆっくり見てみましょう。もちろん、トレドならではのお土産も見つかります。

ショッピングを楽しみながらこの通りをまっすぐ進むとトレド大聖堂・市役所前広場に出ます。ゴシック建築の贅沢な建物は目を見張る美しさです。

石畳の坂道を歩くのもショッピングもかなり歩きますよね。そろそろお腹が空いてきた頃でしょうか。トレドで是非試して欲しいのがカルカムサスと呼ばれる肉の煮込みと爆弾コロッケ。もし甘いものが欲しくなったら、もちろんスペインを代表するアーモンド菓子、マサパンを。これで午後もしっかり歩けるはず。

路地に入って、バルコニーや建物を眺めて…。「トレド旧市街、ちょっと違った散策の楽しみ方」を参考にこの辺りを歩いてみると、見方が変わって歩く楽しみが増えるかもしれません。

そのままユダヤ人地区を通り、サン・フアン・デ・ロス・レージェス修道院まで行ってみましょう。15世紀の建物の中にある美しい回廊は一見の価値があります。そこからPuerta del Cambrón(カンブロンの門)まで行くと、タホ川に渡されたPuente de San Martín(サンマルティン橋)を眺められます。

最後に、この美しい街の日帰り散策を飾るのは街の反対側にあるエルバジェから眺めるトレドの全景です。タホ川を渡る必要がありますが、せっかくここまできたらなら是非!ここからの日暮れの時のトレドの眺めは、一生の思い出になると言ってもも過言ではありません。是非是非もう一歩進んでみてください。

ここまできて、心も体も大満足した時点でそろそろ夕食時でしょうか。旧市街に戻って赤ワインをお供に軽くタパスでも?もちろん、しっかりと食べたければレストランでゆったりとした夕食を楽しむこともできます。

世界遺産の街、トレドの1日コースいかがでしたか?お天気に恵まれ楽しい散策ができますように。